“思ったより安い”にご用心。住宅の見積りで失敗する人は、最初に“坪単価”だけを見てしまう #column

この記事を読めば分かること

  • 坪単価という言葉の本当の意味
  • なぜ「この金額で建てられます」が嘘に聞こえるのか
  • 家づくりの費用が人によってまったく違う理由
  • 数字の錯覚に騙されない「賢い予算の立て方」
  • 住宅見積りでチェックすべき5つのポイント

はじめに

日曜日の午後。
あなたは家族と一緒に、郊外のモデルハウスを訪れました。
白くて広いリビング。吹き抜けに光が差し込み、子どもたちの笑い声が天井まで響く。
「この家、坪単価60万円くらいです」
案内スタッフがそう言った瞬間、あなたの中に“いけそうかも”という気持ちが芽生えた——。

でもその気持ち、ちょっとだけ立ち止まってほしいのです。
その“60万円”が、あなたの想像している「暮らせる家」の金額とは限らないからです。

本記事では、そんな“数字のワナ”をわかりやすく紐解き、住宅購入で後悔しないための「正しい見積りの見方」をお伝えします。

坪単価は「おおまかな目安」であって、完成価格ではない

まず、大前提として知っておくべきなのは——
坪単価とは、建物のざっくりした建築単価だということ。

たとえば「坪単価60万円」と言われた場合、30坪の家なら1,800万円になるというのが一般的な計算です。
でもこれはあくまで“建物本体の価格”。つまり、骨組み・外壁・内装などが中心で、実際に「住める状態の家」にするには、もっと多くの費用が必要です。

たとえるなら、箱入りのパソコンを買ったけれど、電源コードもソフトもマウスも入ってなかったようなもの。
“使える”ようにするには、まだまだお金がかかるのです。

同じ30坪でも金額が変わるのはなぜ?

「Aさんは2,000万円で家を建てたのに、Bさんは2,600万円かかった」
こんな話を聞いたことがあるかもしれません。

その理由の1つは、「構造の違い」にあります。

  • 木造住宅:コストが抑えやすく、一般的な選択肢
  • 鉄骨造:柱や梁がしっかりしていて耐震性も高いが、費用はやや上がる
  • RC造(鉄筋コンクリート):耐火・耐久に優れた“無敵の家”だが、価格も上級

建て方の違いだけで、坪単価に10万〜30万円の差が出ることもあります。
だから「〇坪でこの価格」という単純な比較は、意味がないのです。

数字の見せ方にもカラクリがある

住宅会社によっては、**“安く見せるテクニック”**を使っていることがあります。
そのひとつが、「面積の定義の違い」です。

たとえば、以下のような違いがあります:

  • 延床面積だけで計算(実際の生活スペース)
  • 吹き抜け・玄関ポーチ・バルコニーなども含めて面積を水増し

同じ家なのに、面積の数字が大きければ、坪単価は自然と安く見えますよね?
つまり、“坪単価が安い”=“コスパがいい”とは限らないということなんです。

実は、「坪単価」に含まれないもののほうが多い

「この家、建物は1,800万円です」と聞いて安心してはいけません。
その家に実際に住むには、次のような費用が追加されます:

  • キッチン、トイレ、エアコン、照明などの設備費
  • 水道・電気・ガスなどの引き込み工事
  • 駐車場、フェンス、玄関まわりの外構工事
  • 保険料・登記費用・ローン手数料などの諸経費

これらを合わせると、建物本体の価格に20〜30%程度が上乗せされるのが一般的です。
つまり、1,800万円の家を建てるなら、実際には2,200〜2,400万円を見込んでおく必要があります。

家の価格は「3階建て」で考える

わかりやすく整理すると、住宅費用は次の3つでできています:

  1. 本体工事費:建物そのものの費用(約70〜80%)
  2. 付帯工事費:住める状態にするための工事(約15〜20%)
  3. 諸経費:手続き・保険・税金など(約5%)

この全体像を知らずに家づくりを進めてしまうと、「予定より500万円高くなった…」というケースは珍しくありません。

dresser beside sofa

最初に“いくらまで出せるか”を決める

家づくりは、「理想の間取り」より先に、「現実的な予算ライン」を明確にすることが大切です。

  • 頭金はどれくらい用意できるか
  • ローン返済は月々いくらまで無理なく支払えるか
  • 土地代は含める?別途必要?
  • 将来の生活費も見込んでおく

これらをふまえて、「トータルでいくらまでならOK」という“枠”を先に決めておけば、打ち合わせや見積りで迷うことが減ります。

見積もりは、必ず比較しよう

1社だけの見積もりで判断してしまうと、「もっと安くて内容が良い会社」を見逃してしまう可能性があります。

だからこそ、必ず2〜3社から見積りをとることが大事です。
同じ条件(坪数・仕様・土地条件)で依頼し、内容と金額をしっかり比べましょう。

特に確認すべきポイントは:

  • 面積の定義(延床面積 or 施工面積)
  • どこまでが本体価格に含まれているか
  • 付帯工事・諸経費はどこまでカバーされているか
  • 保証やアフターサービスの有無

これらを見比べれば、「本当に信頼できる会社」が浮かび上がってきます。

まとめ

  • 「坪単価=完成価格」ではない。あくまで目安
  • 家の構造や広さの出し方で、坪単価は大きく変わる
  • 本体工事費以外に、多くの“見えない費用”がある
  • 注文住宅の予算は「本体・付帯・諸経費」の3層で考える
  • まずは“払える上限”を先に決めること
  • 見積もりは必ず複数社から取り、冷静に比較する

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