急な来客でも“広く見える”──ダイニングの拡張術と回遊レイアウト #column
「今日の夜、2人増えるって!」——ありますよね。
客間がなくても大丈夫。面積はそのまま、体感の“余白”を足すのがコツです。
やることはシンプルで、テーブルの伸ばし方/イスの入れ替え/通り道(回遊)の抜けを整えるだけ。数字が少しわかると、レイアウトのもたつきが一気に消えます。
今回は、すぐ効く寸法の目安と、15分で切り替える手順をやさしくまとめました😊
この記事を読めばわかること
- “広く見える”ための視線・通路・高さの考え方
- 伸長天板・サブテーブル・ベンチ化などテーブル拡張の実践
- 通路幅の目安とイスの入替・間隔の決め方
- 物の一時避難先と“来客モード”への切り替え手順
1|まずは原則:視線が抜ける/通路が途切れない/高さをそろえる
部屋が狭く見える最大の理由は、目が止まる・体が止まるの2つ。
テーブルの上は低く・下は見える(脚元の抜け)を意識し、人が一周できる回遊を確保すると、数字以上に広く感じます。照明はペンダントを天板から70〜80cmに下げて“低い重心”を作ると、視線が水平に流れて圧迫感が減ります。
2|テーブル拡張のコツ——“一枚足す”か“形を変える”
普段はコンパクト、来客時だけ+40〜60cmを足せると運用がラク。
- 伸長式(バタフライ/中板):天板が120〜140×75〜80cmの4人用なら、伸長で160〜180cmに。脚が内寄りのものは脚間が広く、イスが差し込みやすいです。
- サブテーブル合体:幅40〜50cm×長さ120cm程度の細長い台を短辺につなぐと6人対応に。高さはテーブルと±5mm以内が理想。
- 丸→楕円化:Φ100〜110cmの丸天板は扇形板を足すと着席人数を増やしやすく、出入りもスムーズ。
- ベンチ戦術:片側をベンチ120cmにすると子ども+大人で“詰め”が効きます。背の低いベンチは視線の抜けの面でも有利。
ミニメモ:テーブル下の“足の当たり”を避けるため、天板端から脚まで30cm前後空いていると快適です。
3|イスの入替と間隔——「抜ける背」「アームレス」「10〜15cmの余白」
イスは背が抜ける(格子・ローバック)タイプが広く見えます。来客時はアームレスを優先。
- イス間の余白:10〜15cm(こぶし1つ)あると肘がぶつかりません。
- 後ろの引き代:引いて座るために60cm、通路として人が通るなら75〜90cmが目安。
- 追加分の“仮イス”:スタッキング2脚をパントリーや廊下端に常駐させておくと安心。

4|回遊レイアウト——“一周できる”だけで体感は段違い
ダイニングはキッチン→テーブル→リビングをぐるっと回れる輪にすると、人の滞留が減って“広く”感じます。テーブルの長辺を壁にベタ付けせず、15〜20cmだけ隙間をあけると布のはみ出しや掃除のストレスも軽減。
サイドボードやワゴンは角を通路側に出さない配置に。角が通路へ張り出すと視線が止まるので、面で向き合うのが正解です。
5|“一時避難先”を用意しておく——片づけは場所で解決
来客前に散らかりをゼロにするのは無理。だから逃がす先を決めておきます。
- ワゴン1台:進行中の書類・工作・充電小物をそのまま乗せ替えて退避。
- 深型バスケット:膝上サイズのかごを2つだけ用意し、テーブル上を“一網打尽”。あとでゆっくり戻せばOK。
- コート&バッグの仮置き:玄関〜ダイニングの途中に壁フック×トレー。椅子の背もたれをふさがず動線が保てます。
6|“広く見える”仕掛け——ラグ・脚・素材の三拍子
- ラグは大きめ:テーブルの天板サイズから四方に+60cmが目安。椅子を引いてもラグ外に脚が落ちず、見た目も一体化。
- 脚の抜け:テーパード脚やスチールの細脚は床がよく見えて、面積以上に軽く感じます。
- 素材感:透明(ガラス・ポリカ)や明るい木目を“見える位置”に配置。重い色は壁側や低い位置に集約。
7|間取り別・さくっとモデル案
8畳LDKのダイニング
普段:140×80cmテーブル+片側ベンチ。回遊は壁から15cmの隙間。
来客:サブテーブル40×120cmを短辺にドッキング。イス2脚追加、通路は75cm確保。
10畳LDKのダイニング
普段:Φ105cm丸+アームレス4脚。
来客:扇形板で楕円化(+40cm)、スタッキング2脚追加。サイドボードを壁に平行移動して回遊を900mmに。
8|15分で“来客モード”にする手順(保存版)
- テーブルを伸ばす or サブテーブル接続(水平を合わせる)
- イス間を10〜15cmに整え、後ろ60cmの引き代を確保
- 回遊を1本(キッチン→テーブル→リビング)作る
- ワゴンとバスケットに“今ここ”の物を一時退避
- ラグのしわ・位置を整え、ペンダントを70〜80cmに調整
- 仕上げにテーブル中央へ低めの花 or 木の枝(視線が抜ける高さで)
まとめ
“広く見える”は、根性片づけではなく段取りと寸法です。
+40〜60cmの拡張/イス間10〜15cm・後ろ60cm/回遊75〜90cm。この3つが揃えば、当日いきなり人数が増えても大丈夫。
まずはサブテーブルを一つ用意して、一周できる導線を作ってみてください。体感が、すっと軽くなります。
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